ファンドレイザーにとっても役立つ
ファンドレイザーなどの寄付に関わる実務者にとっても、先行研究調査は役立ちます。私はここ20年ほど、ボランティアや有給の仕事としてファンドレイジングに携わっておりますが、より良いファンドレイジングを行うためのヒントを論文から得たことが多くあります。たとえば、寄付を呼び掛けるウェブサイトにどんな写真を掲載するべきか?遺贈について倫理的にNGとなる寄付募集はどんなケースか?などなど。論文さまさまです。
総説論文を手に入れたいが、日本語では見つけられず
個別の論文を読むのも良いのですが、総説論文が手に入ると、効果的に「研究の現在地」を把握できます。残念ながら、google scholarやCiNiiでは、「寄付 総説」「charity 総説」などのキーワードで日本語の適切な文献を見つけることができませんでした。(日本語での寄付・ファンドレイジング研究の総論は、いつか自分も書きたい!と思っております)
むやみに文献調査をスタートするのは効率的ではないので、まずは先人がどんな先行研究調査をしたのかがわかるreview articleまたは総説と言われるものをチェックしたのが下記の記事です。
https://watanabefumitaka.blogspot.com/2019/12/charitable-giving-handbook-of-public.html
https://watanabefumitaka.blogspot.com/2019/12/eight-mechanisms-that-drive-charitable.html
レビュー論文の書き方についての論文
ここで、神戸大学の服部先生が先行研究レビューについてつぶやいているのを目にしまして、いったん論文収集をストップし、「そもそもレビューをどうやって書けばよいのか」についての文献にあたっているところです。学位論文を書いている方へ。レビューは論文の心臓部です。— 服部泰宏 Yasu Hattori (@hatto525) December 27, 2019
「良いレビュー」について書かれた以下の文献をおススメめします。①Bem(1995)in Psychological Bulletin. ②Salipante et al.(1982) in Research in organizational Behavior.③Webster & Watson(2002) in MIS Quarterly.1つだけなら③。
他にも、NIHのウェブサイトで下記のようなシンプルな記事も見つけました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3715443/
こちらも。
https://www.editage.jp/insights/5-tips-to-write-a-great-literature-review
そもそも、研究とは?
また、そもそも研究をするというのはどういうゴールに向けての、どんなプロセスを経るものなのか?についても良い本が見つかったので、そちらを読んでいるところ。
この本は、「研究」をサポートする仕事(研究所の職員、秘書、大学ファンドレイザー、新人URAなど)に就いている人にもおすすめしたい素晴らしい書籍です・・・!