Tuesday, 21 September 2021

大学ファンドレイジングと、「チャラ男」と「根回しオヤジ」のお話

先日、雑誌『月刊 先端教育』に、2019年度末まで担当しておりましたiPS細胞研究基金のファンドレイジング活動のことを取り上げていただきましたので、ご報告です。

「大学マネジメント最前線 寄附拡大を目指すために必要なこと」

https://www.fujisan.co.jp/product/1281702004/new/

https://www.sentankyo.jp/articles/0490e5b1-06ae-4624-8c8f-57706b91a354

今回は、上記の雑誌で「大学マネジメント最前線」の連載をされている、内閣府上席科学技術政策フェロー・東京工業大学教授の江端新吾先生にお声がけいただき、取材をしていただきました。(江端先生・植草先生、ありがとうございました!)

iPS基金での取り組みを聞かせてほしい、というお話を頂戴したのですが、私が2020年3月末で離任していましたので、現基金室長の小山さん(私が転籍した後の基金室長を引き受けてくださった方。所長補佐でもあります)とともに前任者として取材をお受けしました。


小山さんは大学職員としてのキャリアが長く、外から大学に入ってきた私が(ファンドレイジングやマーケティングには詳しいものの)大学職員として組織のことがわからない、人脈もない、という状況のなかで本当に多くの手助け・ご指導をくださいました。

iPS基金のファンドレイジングという重責を担うことになった私がなんとか生き残れたのは、小山さんのおかげと言うほかありません。本当に感謝しています。


今回の記事を読み返しながら、ふと

「自分は『チャラ男』だったのか」

と思いました。
(まったく意味不明だと思いますが、それは後段をご覧ください)


私は様々な場所で、「ファンドレイジングにとって組織内の協力がいかに大切か」を伝えているつもりなのですが、なかなかそこまで踏み込んで記事になることが少ないのが現状でした。

今回のメディア掲載は、その意味で画期的だと思いますので、あえてブログでも紹介させていただこうと思いました。


「チャラ男」と「根回しオヤジ」の組み合わせは強い

詳細は下記の書籍の第7章に詳しいのですが、組織の中で新しいアイデアを実現させていくためには、非常にざっくりと言うと、2つの条件が必要とされるといいます。


それは、

1)社外にもつながりを持ち、新しいアイデアを出せること
2)そのアイデアを、社内での強い人脈をテコにして実現すること

という2点です。

問題は、1)と2)を一人で兼ね備えるのは至難の業、ということです。

上記の書籍の中では、キャッチーに、1)を担う人を「チャラ男」、2)を担う人を「根回しオヤジ」と表現していて、思わず笑ってしまいました。

この二人が組むと、新しいアイデアを組織内で実装していけるので、強いぞというお話です。

私は外から大学に転職した人間でしたので、上記の1)を担う「チャラ男」としてがんばるしかなかったのだなあ、と思い出していました。

そのような中、2)を担ってくださる方が、大学職員として長いキャリアを持つ小山さんだったと思います。

それによって、iPS基金にご支援を考えてくださる方々に対し、様々な受け入れ方法を整備していくことができ、多くの方々の善意が基金に寄せられたという面もあるかなと思っています。
(iPS基金への寄付の状況は下記ページに公開されています)


人と人がより良く協力して働くために


経営学のひとつの側面は、「組織の中で人と人がより良く協力するための手がかり」を与えてくれるというものです。

人と協力して仕事をして、世の中に貢献できるとしたら、それはとてもありがたい、幸せなことだと思います。

今回の『月刊 先端教育』の記事や、上記の書籍をきっかけに、

・大学ファンドレイジングの可能性
・その実践を助ける経営学という学問の魅力

に対して、一人でも多くの方がご注目いただければ嬉しいです。


ちなみに、ファンドレイジングという分野は、

・非営利組織の人が、組織外の人と(寄付をしていただく、という行為を通じて)より良く協力するため

の分野だとも言えます。
ほんとうにおもしろい分野なので、もしちょっとでも働いてみたいと思った方は、下記の募集要項をご覧ください!私が転籍した先の公益財団での人材募集です。


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本ブログの読者の方々と一緒に学んでいけることを楽しみにしております・・・!



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