COVID-19の対応で様々な分野の研究者の方々が奮闘されている姿を見て、科学的にデータから言えることを見出していく「研究者」という仕事にあこがれを抱く学生さんがいてほしい・・・!と願いながら、テレビやインターネットを眺めております。
さて、今回はそのような「研究者を目指そうか迷っている人」にとってぴったりの、無料で公開されている資料や、有償だけれど外出せず今すぐ買えるKindle本を紹介しようと思います。
ちなみに、産学連携が進むにつれて、研究者と企業人が仕事をすることが増えていると思いますが、これらの資料は「研究者がどんな責任を負っているのか」「なぜこの人たちは研究者をしているのか」を知りたい共同研究相手先の企業人や、研究者を顧客として仕事をする企業人、大学の新人職員や専門職員(私のように、ファンドレイジングの専門性はあるが大学や研究についての知識はなかった人など)にもおすすめです。
巣ごもり生活のおともに、どうぞ。
後半部分が、ファンドレイザーに役立つ、寄付研究の無料資料です。
『科学の健全な発展のためにー誠実な科学者の心得ー』
研究者を目指す人向けのテキストです。なんと無料公開。
「研究で絶対やってはいけないこと」が良くわかります。
また、博士・修士まで進むか迷っている学部生の方には、「研究の仕事」がイメージできて良いと思います。
内容の一部を、ご紹介します。
・研究の価値と責任
・研究の自由と守るべきもの
・利益相反
・インフォームドコンセント
・個人情報の保護
・優れたラボノートとは
・研究不正行為の定義
・(チームで研究を行う際などの)中心となる科学者の責任
・マスメディアを通じた研究成果の発信
・誰を著者とすべきか
・「サラミ出版」とは
・共同研究をどう進めるか
・研究費を適切に使用する
・査読者の役割と責任
・後進の指導
・科学者と社会の対話
「ああ、なるほど研究者はこういう責任を負って仕事をしているのか・・・」と、研究者の気持ちが少しわかるようになる、そんな資料です。
無料なので、ぜひ多くの方にご覧いただきたい。
次に紹介するのはこちら。
Kindle版なので、本屋さんに行かずに買えます。
こちらは、明るいトーンで、研究のおもしろさ、大変さ、ロマンを教えてくれる本です。
著者の先生の「臨床医をしながら研究もする」という生活のなかで、いかに研究時間をひねり出すか?という部分は、私のように実務者と研究者の二足の草鞋を目指す人間にとっては非常に勉強になります。
「寄付研究」を目指す学生さんやファンドレイザーの方へ
さて、寄付研究者を目指す方への資料は、下記にまとめてありますが、無料でもなくKindleで今読めるわけではありませんし、そもそも「目指す」という段階で読むと心が折れること間違いなしです・・・。
なので、「寄付研究っておもしろい!」と思ってもらえそうで、無料公開のものをチョイスしました。
1つはこちら。
行動経済学の観点から、マッチングギフトと寄付控除、どっちが寄付行動を促進する効果が高いのか?を検証した研究のプログレスレポートです。日本を代表する行動経済学者の方々によるもので、私もこの先生方の著書や論文、人となりに引き付けられて行動経済学に関心を持ちました。
佐々木周作, 黒川博文, & 大竹文雄. (2019). 寄付金控除 vs マッチング寄付: 日本の寄付税制の行動経済学的実験研究 (プログレス・レポート). 行動経済学, 12(Special_issue), S18-S21.
もう1つは、こちら。
ファンドレイジングに役立つ論文を探していた過去の自分に読ませたいくらい、ファンドレイジングに携わっている人にとっては本当に価値ある、かなり幅広く寄付について論じている研究です。
石田祐・奥山尚子(2012)『地域福祉を支える寄付の仕組みに関する研究』全労済協会, 公募研究シリーズ, no.21, 83p.
上記2つは、寄付研究に関心のある学生さんとファンドレイザーの方は、だまされたと思って、ぜひ読んでいただきたい!!!
では、本日はこのあたりで。
これから博士後期課程のコースワークが始まるので、こんなにブログなど書いていられなくなりそうですが、がんばります。
<おしらせ>
このブログでは下記のとおり、Facebookページも作っています。
また、Twitterでも情報を発信しています。
何かの方法でつながっていただき、本ブログの読者の方々と一緒に学んでいけることを楽しみにしております・・・!
ファンドレイザーの方のためのおすすめ書籍です
寄付を科学的に考えるための書籍リストです
社会人で博士を目指す方へのおすすめ書籍です