Monday, 4 July 2022

スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー日本版vol.2出版記念イベントDay3「寄付のオモテとウラについて語ろう」

今度、スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー日本版(SSIR-J)のイベントにパネリストのひとりとして登壇させていただくことになりました。

Day3 2022年7月14日(木)19:00-20:30

https://ssir-j-vol2.peatix.com/

SSIR-Jのレイモンド・ウォングさんがファシリテートくださり、日本ファンドレイジング協会の大石さん、WWFジャパンの外岡さんと3人で話すということで、大変楽しみにしています。


お題は、「寄付のオモテとウラについて語ろう」


オモテとウラ、とは寄付の場合、何でしょうか。


私にとっては、4つくらい「オモテ」(よく社会で観察される面)と「ウラ」(あまり知られていない面)があるかなと思いました。


・寄付をする側と、受ける側

 寄付をする側(寄付者や寄付行動)の研究は多く、受ける側(ファンドレイザーやファンドレイジング活動)についての研究は少ない印象があります。私は主に後者、ウラの方に力点を置いて研究をしています。


・寄付募集についての実務と、研究

 寄付募集については実務家の方々のノウハウが広く流通している反面、学術研究に基づく知見はまだあまり流通していないように思います。なので、主に後者、ウラの方について情報発信をしようと考えてきました。


・Charityの寄付文化と、Philanthopyの寄付文化

 そして日本では、災害時や人道的な危機のときに盛り上がるCharity(緊急的な人道ニーズへの支援)の寄付文化はあるとしても、長期的なビジョン達成のために様々なアプローチで取り組む組織に対するPhilanthopy(より良い社会を目指すための多様な支援)の寄付文化はまだ発展途上だと考えています。私は勤務先もどちらかといえば後者、関心としても後者なので、ウラの方についてよく考えています。


・寄付の望ましい面と、望ましくない面

 寄付も他の様々な社会的行為と同様に、望ましい面があればそうでない面もあります。後者については、スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー日本版vol.2(下記)の「寄付金のダークサイドについて語ろう」という記事で議論されていますので、よければぜひご覧ください。



ちなみに、SSIR-Jの編集長の中嶋さんという方は、『ワーク・シフト』という本を手掛けられた方です。

私もそうですが、「読んだ!」という方もおられるのではないでしょうか。2012年発行の書籍ですが、その当時に描かれた方向に社会が変わってきていることに、多くの人が驚くと思います。


このような先見の明に満ちた書籍が存在することを知ると、やっぱりおもしろいですよね。

よく社会を観察し、研究していくことで、私たちもより精度の高い未来予測をしたり、その未来に対して何らかの影響を与えることができる、という希望を持てるように思います。

今回のイベントが、皆で「寄付の未来」を考えるきっかけになったらパネリストとしては望外の喜びです。

関係ないですが鴨川です。