Sunday, 26 January 2020

大学院の試験が終わりました/行動経済学について

昨日、大学院博士後期課程の入学試験(面接)でした。

もともと分かっていたことではありますが、「これは、かなり狭き門だな」という印象でした・・・。しかし、自分の研究についてこれだけ短時間に、真剣なたくさんの質問を受けることは今までなかったので、大変参考になりました。「こういう厳しい先生方から、ここで研究できたらどんなに良いだろう」と思った次第です。

合格したら博士後期課程の学生として、落第したら在野の研究者を目指してがんばろうと思います。(落第の可能性はかなり高い気がしますが)


前の記事「働きながら38歳で経営科学の博士号を目指すことになった流れ」で書いた、5年くらいモヤモヤしていた自分に、強烈な刺激をくれた分野・人があります。

「行動経済学」という分野です。

これまでの経済学が仮定していた「合理的な経済人」を、より人間らしい存在として考え直し、その上に構築されてきた分野です。

最初は、無料のこの資料を他の研究者の方から教えていただいて「へえ!」と思いました。
https://www.bi.team/publications/applying-behavioural-insights-to-charitable-giving/

近所の古本屋さんでこの本に出会い、夢中で3回くらい読みました。



行動経済学 -- 伝統的経済学との統合による新しい経済学を目指して 

学部時代は神経科学もかじっていた自分は、もう一度大学に入るなら行動経済学徒になるかもな!と思うくらいでした。

依田高典先生というすごい先生が京大のおられると知ったのもそのころ。依田先生のフィールド実験の論文を読んで、「これはすごい!」と興奮したのを覚えています。
(もう5年前のツイートですが貼っておきます)





その後、有名な先生方が書かれた『その問題、経済学で解決できます。』 を読んでいたのですが、なかなか満足できずくすぶっていたころ、ある研究会に定期的に実務者として参加させていただける機会を得ました。

それが、博士後期課程を目指す大きなきっかけとなりました。

「本来、こういう実務への橋渡しを経済学者がやっているのはおかしい気がする。経営学者の仕事ですよね。」

そんな言葉が、研究会のあとの懇親会の中で、出てきたことがありました。

「経営学」という分野の社会的な役割を考えるきっかけになったひとことでした。

その思いは、自分は行動経済学者にはなれないかもしれないが、行動経済学、(学部生時代に自分が学んだ)社会学、マーケティングサイエンス、統計学などを実務者の視点で非営利組織経営に実装するための科学(implementation research)をやろうという意欲につながっていきました。

その研究会のメンバーの主催の先生、参加者の皆様には、心から感謝しております。


大学院には入れるかどうか全くわかりませんが、これからも、新しいことを学んで、それを実務に活かしていくことで、少しでもより良い未来を自分のまわりにつくっていけるようにがんばります。


(追伸:これまで、大学院試験に関係ない本や文献は読むのを我慢していました・・・。今日からは、下記の本を読んで楽しもうと思います!)



行動経済学の現在と未来