Saturday, 11 June 2022

JAAS第1回総会・キックオフミーティングのポスターセッションに登場します

日本科学振興協会(JAAS)は,「日本の科学を、 もっと元気に。」という趣旨で活動をされている団体です.

今回,JAASの第1回総会・キックオフミーティングが開かれるということで,ポスターセッションをする人を公募するということだったので応募したところ,採択いただきました.


演題:

日本の科学を「寄付」で元気に!

―寄付者・研究者に知ってほしい3つの寄付研究と日本の課題―


日時:2022年6月20日(月)14:30-16:30 ポスターセッション5の中のプログラムです.


参加費:無料


参加方法:フルオンラインです.下記をご参照ください.

https://jaas2022online-program.peatix.com/


抄録:

下記のp40に,今回の発表の抄録が掲載されています.

https://www2.aeplan.co.jp/jaas2022/wp-content/uploads/2022/06/abstracts220606.pdf

上記では改行がないので少しわかりづらいと思いますので,当日のお話のポイントをこのブログ記事にも掲載しておきます.

今回は,科学・学術研究に取り組む人や一般の寄付者の方(個人・法人・団体)に知ってほしい「寄付の価値」をご説明します.

次に,膨大な先行研究の中から,現場の意思決定やファンドレイジングにとって重要だと思われる,下記の3つの寄付研究を紹介します.

・Ask(寄付依頼)の力

・クラウディングアウト
(ここでは,寄付先団体に政府等の支援が行われた際,寄付が減ってしまうことを指します)

・寄付が管理費用に使われることに対する忌避感

そして,誰が寄付募集のコストを負担するのが良いのだろうか,寄付市場の質ってどうなのだろうか,といった話もすることになっています.(なぜこんなに詰め込んでしまったんでしょうね・・・)

寄付募集には,3K(カン・経験・カリスマ)も重要かもしれませんが,論理(Logic)と先行研究(Literature)に基づいて,レバレッジ(Leverage)の効く形で(3L)進めていけるとよいのではと思っています.


博士論文執筆中にこんな余裕があるわけない,と思っていたのですが,やはり日本の科学・学術研究にとって寄付が大切だ,というメッセージは出しておかなければならないという使命感で申し込ませていただいた次第です.


特に,大学ファンドレイジング関係者の皆様,よろしければぜひご参加ください.


関係ないですが5月連休中の図書館の写真。休みなく勉強してる学生の自転車で埋まっていました。

全国レガシーギフト協会「第14回遺贈寄付サロン」に登壇します

遺言書(ゆいごんしょ)による寄付を,遺贈(いぞう)と言います.

この遺贈について普及啓発を行っている全国レガシーギフト協会の「遺贈寄付サロン」という場に登壇することになりましたので,お知らせいたします.

演題:iPS財団のファンドレイジング~効果的な寄付募集、スムーズな遺贈寄付の受け入れのために~

講師:iPS財団 社会連携室の山本・渡邉が登壇します.

日時:2022年6月17日(金)※申し込み締切:6/16の12時だそうです.

場所:zoomでのオンライン開催

参加費・詳細:下記ページをご覧ください.

https://izoukifusalon14.peatix.com/view?fbclid=IwAR0a6tnt8rUS3_h8QQplOBLUc4tExdDPFkr-e7eJKm8HXxfFkdtMEo_zF4A


当日,私の方からは寄付募集・遺贈仲介に役立つ論文の解説も行います.

そのうちの1つは,下記論文を予定しています.

Cui, J., Pan, Q., Qian, Q., He, M., & Sun, Q. (2013). A multi-agent dynamic model based on different kinds of bequests. Physica A: Statistical Mechanics and Its Applications, 392(6), 1393–1397. https://doi.org/10.1016/j.physa.2012.11.021

「相続人1人への相続」と「全額をNPOへ遺贈」という2つの選択肢を用意し,前者を取る遺贈者の割合を変化させていくというシミュレーションによる研究です.

遺贈が社会に与える影響,特にその平等さに与えるインパクトを理解するのに有益だと考えます.相続人1人への相続が,社会における財産の格差を助長していくことがわかります.

統計力学という聞きなれない分野の雑誌に載っていた論文ですが,こういうシミュレーションに基づく研究もたいへん有益だなと思った次第です.


では,皆様にお会いできるのを楽しみにしております.


博士課程最終年度、指導教官や査読者の先生に揉まれながら過ごしています。